【専門家監修】副業は事業所得にできる?雑所得との違いや税率、 事業所得になる条件
2026.10.9(金)
副業で得た所得は副業の規模や収入額だけで決まるわけではなく、継続性や営利性、事業としての取り組み方などを踏まえて、事業所得や雑所得などに区分されます。
事業所得に該当すると要件を満たすことで青色申告特別控除を利用できるほか、事業の赤字を給与所得などと損益通算できる場合があります。一方で帳簿の作成や書類の保存など、適切な収支管理も必要です。
また、「副業収入が300万円を超えれば事業所得になる」「開業届を出せば事業所得になる」といった単純な基準があるわけではありません。自分の副業が事業所得に該当するのかを正しく理解したうえで、必要な手続きを行うことが大切です。
本記事では副業の事業所得について、雑所得との違いや税率、事業所得になる条件、メリット・デメリット、必要な準備まで詳しく解説します。さらに、事業として継続しやすい副業や、仕事の探し方についても紹介します。
副業の事業所得とは?雑所得との違いや税率を解説
副業を始めると、「副業の収入は事業所得になるの?」「雑所得とは何が違う?」「事業所得になると税金はいくらかかる?」と疑問に感じる人も多いでしょう。
副業で得た所得は、活動の実態などに応じて事業所得や雑所得などに区分されます。事業所得として認められると青色申告特別控除や損益通算などを利用できる場合があるため、所得区分の違いを理解しておくことが大切です。
ここでは副業における事業所得の基本的な仕組みから、雑所得との違い、所得税の税率まで解説します。
事業所得とは継続的かつ独立した活動から得られる所得
事業所得とは、農業・製造業・小売業・サービス業など、事業を営むことによって生じる所得を指します。副業の場合も、その活動が事業として行われていると認められれば、事業所得に該当する可能性があります。
事業所得の金額は、基本的に以下のように計算します。
総収入金額-必要経費=事業所得
例として副業で年間100万円の収入があり、その収入を得るために30万円の必要経費がかかった場合、事業所得は70万円です。
なお、「副業収入が年間○万円以上なら事業所得」といった一律の基準があるわけではありません。事業所得に該当するかどうかは、副業の実態などを踏まえて判断する必要があります。
国税庁は事業所得に該当するかについて、社会通念上事業といえる程度で行われているかなどを判断要素として示しています。
雑所得とは趣味の延長や単発の活動から得られる所得
副業で得た所得は、事業所得だけでなく雑所得に該当する場合もあります。
雑所得は、事業所得ほどの規模や継続性を持たない活動から得られる所得が該当します。趣味の延長で行っている活動や単発の収入にとどまる場合は、雑所得に分類される傾向にあります。
具体的には、営利目的で商品を転売して得た収入などが挙げられます。なお、不用品をフリーマーケットアプリで散発的に販売して得た収入は、原則として非課税所得となり雑所得には含まれません。
また、年に数回だけ単発で請け負った業務委託の収入なども、継続性がないため雑所得とみなされることが多いです。
生活の糧として成り立つ規模ではなく、「お小遣い」程度の小規模な活動は雑所得として扱われることが多いです。副業を始めたばかりで収入が安定していない時期は、雑所得に該当するケースが一般的といえるでしょう。
副業の事業所得と雑所得の違い
事業所得と雑所得には、主に以下のような違いがあります。
| 事業所得 | 雑所得 | |
| 主な対象 | 事業から生じる所得 | ほかの所得区分に該当しない所得 |
| 所得の計算 | 収入-必要経費 | 収入-必要経費など |
| 青色申告特別控除 | 要件を満たせば利用可能 | 利用不可 |
| 損益通算 | 要件を満たせば可能 | 原則不可 |
特に大きな違いの一つが、事業所得では要件を満たすことで青色申告特別控除を利用できることです。また、事業所得の赤字は一定の要件のもとで給与所得などと損益通算できる一方、雑所得の赤字はほかの所得との損益通算ができません。
ただし、節税目的で自由に事業所得を選択できるわけではありません。実際の副業の内容や規模、継続性などを踏まえて所得区分を判断する必要があります。
副業の事業所得にかかる所得税率は5~45%
事業所得にかかる所得税は、事業所得だけに税率を掛けて計算するわけではありません。給与所得などほかの所得と合算し、所得控除を差し引いた課税所得金額に対して税率を適用します。
所得税率は課税所得金額に応じて段階的に高くなる「超過累進税率」が採用されており、現在は5~45%の7段階です。
| 課税される所得金額 | 所得税率 |
| 195万円以下 | 5% |
| 195万円超~330万円以下 | 10% |
| 330万円超~695万円以下 | 20% |
| 695万円超~900万円以下 | 23% |
| 900万円超~1,800万円以下 | 33% |
| 1,800万円超~4,000万円以下 | 40% |
| 4,000万円超 | 45% |
例として本業の給与所得などと副業の事業所得を合わせた結果、課税所得金額が330万円を超える場合、超えた部分などに応じて税率が適用されます。
そのため、「副業の事業所得には一律○%の税金がかかる」と考えるのではなく、本業を含めた所得全体から税額が決まると理解しておきましょう。
副業が事業所得になる条件とは?具体的なケース別に判断基準を解説
「副業でいくら稼げば事業所得になるの?」「Webライターやブログは事業所得として扱える?」など、副業をしている人のなかには所得区分の判断に迷う人もいるでしょう。
事業所得と雑所得の区分については、2022年(令和4年)の国税庁の通達改正によって、記帳や帳簿書類の保存状況も含めた判断基準が明確化されました。 一方で、「副業収入が○万円以上なら事業所得」といった単純な基準が設けられたわけではありません。
ここでは事業所得と判断されるための基本的な考え方を整理したうえで、具体的なケース別に事業所得の判断軸を解説します。

事業所得かどうかは「社会通念上、事業といえるか」を総合的に判断する
副業が事業所得に該当するかどうかは、その所得を得るための活動が社会通念上、事業と称する程度に行われているかを基本として判断します。つまり、単に副業をしていることや一定額の収入があることだけで事業所得になるわけではありません。
判断する際には、以下のような点が考慮されます。
- 継続的に仕事を行っているか
- 利益を得ることを目的としているか
- 仕事のための設備や環境を整えているか
- 営業・集客などに取り組んでいるか
- 副業に相応の時間や労力をかけているか
- 収入や利益が安定しているか
- 取引を記帳し、帳簿書類を保存しているか
特に重要なのが、2022年の通達改正で記帳や帳簿書類の保存が事業所得と雑所得を区分するうえで明確に示されたことです。国税庁は取引を記録した帳簿書類を保存している場合、営利性・継続性・企画遂行性などを有し、社会通念上事業所得に該当するケースが多いとしています。
ただし、帳簿を作成・保存していれば必ず事業所得になるわけではありません。収入が僅少な場合や継続的に赤字で黒字化に向けた取り組みをしていない場合などは、個別に判断されます。
2022年の通達改正で「記帳・帳簿書類の保存」が判断材料として明確化
以前は副業による所得が事業所得と雑所得のどちらに該当するのか、判断が分かりやすいとはいえない部分がありました。
そこで国税庁は2022年(令和4年)に所得税基本通達を改正し、事業所得と雑所得の区分についてより明確な考え方を示しました。改正後は、取引を記録した帳簿書類を保存しているかどうかが所得区分を判断するうえで重要な要素として明記されています。
国税庁の整理では、帳簿書類を保存している場合は営利性・継続性・企画遂行性などを踏まえて事業所得に該当するかを判断します。一方、帳簿書類の保存がない場合は、原則として業務に係る雑所得として扱われます。
ただし収入金額が300万円を超え、事業所得と認められる事実がある場合は帳簿書類の保存がないことだけを理由に雑所得とはしません。
なお、「300万円」は事業所得になるためのボーダーラインではありません。「300万円を超えれば事業所得、300万円以下なら雑所得」という意味ではないため注意しましょう。
また、前提として事業所得を生じる業務を行う人には収入や必要経費などを記帳し、帳簿や請求書・領収書などを保存する義務があります。
ケース①:継続的に仕事を受け、安定した収入を得ている
副業として継続的に仕事を受け、一定の収入を得ている場合は事業所得に該当する可能性があります。
例としてWebライターが複数の企業から毎月継続して執筆を受注している、Webデザイナーが定期的に制作を依頼されている、動画編集者が継続案件を複数抱えているなどのケースです。
このように複数の取引先から継続的に仕事を受けている、自分から営業や集客を行っているなど、副業を一つの事業として継続している実態があれば、事業所得と判断される可能性があります。
一方で年に数回だけ依頼を受ける、知人からたまに仕事を紹介してもらうといった程度で、継続性や事業としての実態が乏しい場合は雑所得に該当する可能性があります。
ケース②:副業を事業として計画的に拡大している
副業を一時的な収入源としてではなく、継続的に利益を得るための事業として計画的に取り組んでいる場合も事業所得に該当する可能性があります。
例を挙げると、オンライン講師が集客のために広告を出して受講者を増やしている、ハンドメイド作家が販売サイトを整備して商品数を増やしている、コンサルタントが営業活動を行って取引先を開拓しているといったケースです。
また、仕事に必要な機材やソフトを導入したり外注を活用するなど、事業を継続・拡大するための取り組みを行っていることも判断材料になります。
このように利益を得ることを目的として、自ら仕事を生み出しながら継続的に活動している実態があれば、事業所得と判断される可能性があります。
ケース③:副業をたまに行い、その都度収入を得ている
副業を継続的に行っているのではなく、必要なときだけ仕事をしたり年に数回程度の取引を行っている場合は、事業所得に該当するかを慎重に判断する必要があります。
例として会社員が知人から依頼された写真撮影を年に数回だけ行う、翻訳の仕事を不定期に受ける、イラストを依頼されたときだけ制作するといったケースです。
このように仕事を行う頻度が低く、営業活動や集客などもほとんど行っていない場合は事業としての継続性が乏しいため、雑所得に該当する可能性があります。
ただし、仕事の頻度が少ないという理由だけで一律に雑所得になるわけではありません。 取引の継続性や利益を得る目的、事業としての取り組み方などを含めて判断する必要があります。
ケース④:収入が少ない、または赤字が続いている
副業の収入が少額であったり赤字が続いている場合も、事業所得に該当するかどうかは個別に判断されます。
具体的には、ネットショップを始めたばかりで仕入れや広告費などの支出が先行している、動画クリエイターとして活動を始めたものの機材購入などの初期費用がかかって赤字になっているといったケースです。
このような場合でも、将来的な利益を見込んで営業活動や集客、設備投資などを継続しているのであれば、単に「赤字だから事業所得にならない」とは判断できません。
一方で毎年赤字が続いているにもかかわらず、赤字を解消するための営業活動などを行っていない場合は、事業としての営利性が認められるかを個別に判断する必要があります。
国税庁も、収入が僅少な場合や継続的に赤字で黒字化に向けた取り組みを行っていない場合などについて、事業所得に該当するかを個別に判断するとしています。
副業を事業所得として申告するメリット・デメリット
副業が事業所得に該当する場合、青色申告特別控除や損益通算など雑所得にはない制度を利用できる可能性があります。 一方で事業所得として申告するには日々の取引を記帳したり、帳簿や請求書などの書類を保存する必要があります。
「事業所得にすれば節税できる」と考えるのではなく、メリットだけでなく必要な手続きや負担も理解したうえで、自分の副業が事業所得に該当するかを判断することが大切です。
メリット①:青色申告特別控除を利用できる
事業所得の大きなメリットの一つが、要件を満たして青色申告をすると青色申告特別控除を利用できることです。青色申告特別控除には10万円、55万円、65万円の区分があり、一定の要件を満たすことで所得から控除できます。
例として複式簿記で記帳し、貸借対照表や損益計算書を確定申告書に添付して期限内に申告するなどの要件を満たせば、55万円の控除を受けられます。さらに、e-Taxによる申告などの要件を満たす場合は65万円の控除が可能です。
ただし、事業所得なら自動的に青色申告特別控除を受けられるわけではありません。 青色申告を行うための手続きや記帳などの要件を満たす必要があります。
メリット②:副業の赤字を本業の所得と損益通算できる場合がある
副業が赤字になった場合、事業所得であれば一定の要件のもとで給与所得などほかの所得と損益通算できる点もメリットです。国税庁は、事業所得の計算上生じた損失を損益通算の対象となる所得の一つとして定めています。
例として本業の給与所得が400万円、副業の事業所得が50万円の赤字だった場合、一定の要件を満たせばこれらを通算して所得金額を計算できます。一方で雑所得の赤字は、給与所得などほかの所得と損益通算できません。
ただし、「赤字にすれば税金が安くなる」という意味ではありません。 あくまで実際に事業を行った結果として生じた赤字について、税法上の要件を満たす場合に利用できる制度です。
メリット③:パソコンなどの少額減価償却資産を全額経費にできる
青色申告をしている事業所得者は、少額減価償却資産の特例を利用できるメリットもあります。通常、10万円以上のパソコンや備品を購入した場合は数年に分けて減価償却費として経費計上する必要があります。
しかしこの特例を利用すれば、10万円以上30万円未満の資産を取得した年に全額経費にすることが可能です。これにより、利益が出た年に必要な設備投資を行い、その年の所得を抑えて節税につなげることができます。
ただし、業務に必要なツールや備品を経費扱いする際は一定の要件や上限がありますのでご留意ください。特例を上手く活用することで、副業の作業環境を整えながら効率的な事業運営が可能になるでしょう。
デメリット①:記帳や帳簿書類の保存に手間がかかる
副業を事業所得として申告する場合、収入や必要経費などの日々の取引を記帳し、取引に伴って作成・受領した書類を保存する必要があります。青色申告をする場合は、一定の方法で記帳することも求められます。
このとき請求書や領収書、経費の明細などを整理したり、帳簿に取引内容を記録する作業が発生します。
副業の規模が大きくなるほど取引数も増えるため、「節税できるから」という理由だけで事業所得を選ぶのではなく、こうした事務負担も考慮することが大切です。
デメリット②:青色申告のための手続きや管理が必要になる
青色申告特別控除などのメリットを受けるには、青色申告の承認を受けたうえで必要な帳簿を作成・保存し、期限内に確定申告を行うなどの要件を満たす必要があります。65万円の青色申告特別控除を受ける場合には、さらにe-Taxによる申告または一定の電子帳簿保存などの要件があります。
そのため、事業所得として副業を行う場合は「収入を得ること」だけでなく、収支管理や税務手続きを継続して行うことも必要です。
副業の規模が小さいうちは負担に感じる場合もあるため、会計ソフトなどを活用して日頃から記帳するなど、無理なく管理できる仕組みを作っておくとよいでしょう。
副業を事業所得として申告するために必要なものとは?準備しておきたい4つのこと
副業を事業所得として申告する場合は、単に「事業所得として申告したい」と考えるだけではなく、副業の活動実態や収支を客観的に説明できるよう日頃から記録や書類を整えておくことが重要です。
特に事業所得と雑所得の区分では事業として継続的に活動しているかに加えて、取引を記帳しているか、帳簿書類を保存しているかも重要な要素になります。
また、青色申告を利用する場合は、青色申告承認申請書の提出や一定の方法による記帳など別途対応が必要です。
ここでは副業を事業として行う際に準備しておきたいものを、日々の記録・証拠書類・事業実態・青色申告の手続きの4つに分けて解説します。

副業の収入や経費を記録するための帳簿を用意する
まず必要なのが、副業で発生した収入や必要経費を記録するための帳簿です。
事業所得の計算は1年間の総収入金額から必要経費を差し引いて所得金額を求めるため、日々の取引を記録しておく必要があります。国税庁も、収入金額や必要経費に関する日々の取引を帳簿に記帳し、取引に伴って作成・受領した書類を保存する必要があるとしています。
帳簿には、以下のような情報を記録することが必要です。
| 記録する項目 | 記録例 |
| 売上 | 取引先から受け取った報酬10万円 |
| 仕入れ | 商品の仕入れ3万円 |
| 外注費 | 業務委託先への支払い2万円 |
| 消耗品費 | 仕事で使用する備品5,000円 |
| 通信費 | 業務で使用したインターネット料金 |
帳簿は手書きで作成する方法のほか、Excelや会計ソフトを利用して管理することもできます。取引数が増えてくると手作業での管理は負担になりやすいため、副業を始めた段階から記録する習慣をつけておくことが大切です。
なお、青色申告では原則として正規の簿記による記帳が必要ですが、一定の場合には簡易な帳簿による記帳で10万円の青色申告特別控除を受けることもできます。
領収書・請求書などの帳簿書類を保存する
帳簿を作成するだけでなく、その取引の内容を確認できる領収書や請求書などの書類を保存しておくことも重要です。副業の売上に関する請求書や、仕事で使用するPC・機材・ソフトウェアなどを購入した際の領収書、交通費の明細などが該当します。
ここで特に注意したいのが、仕事とプライベートの両方で使用するものです。例として自宅のインターネット回線やスマートフォン、PCなどは支出の全額が必ず経費になるわけではありません。
副業で使用した部分を合理的に区分して経費計上する必要があるため、「なぜこの金額を経費にしたのか」を説明できるよう、利用状況や計算方法も記録しておくと安心です。
また、青色申告では帳簿だけでなく請求書・領収書などの書類についても保存が必要です。保存期間は書類によって異なり、帳簿などは原則7年間、請求書・見積書・納品書などは原則5年間とされています。
「確定申告のときにまとめて整理する」のではなく、取引が発生した時点で保存することを意識しましょう。
副業を事業として行っていることがわかる記録を残す
事業所得と雑所得の区分は、収入額だけで決まるものではありません。そのため、副業を継続的な事業として行っていることがわかる記録を残しておくことも大切です。具体的には、以下のような活動記録が考えられます。
- 取引先との契約書や発注書
- 仕事の依頼や受注に関するメール
- 自分で行った営業・集客の記録
- WebサイトやSNSなどの事業用アカウント
- 仕事に使用する設備やツールの購入記録
- サービス内容や料金表
- 売上や利益の推移
例を挙げると、オンライン講師として副業をしている場合に、講座の集客ページを作成して広告を出している、コンサルタントとして複数の取引先と契約している、ネットショップを運営して仕入れ・販売を継続している、といった記録があれば、「どのような目的で・どの程度継続的に活動しているのか」を整理しやすくなります。
もちろん、これらを用意すれば必ず事業所得になるわけではありません。事業所得に該当するかどうかは、営利性・継続性・企画遂行性などを含めて総合的に判断されます。
そのため、「事業所得にするための証拠を作る」というより、実際に行っている副業の活動実態を記録しておくと考えるとよいでしょう。
青色申告を利用するなら「青色申告承認申請書」を提出する
事業所得について青色申告を利用したい場合は、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
提出期限は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日までです。ただし、その年の1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、開業日から2か月以内が期限となります。
青色申告を利用すると、要件を満たすことで青色申告特別控除を受けられます。控除額は10万円、55万円、65万円の区分があり、55万円の控除には複式簿記による記帳や期限内申告などが必要です。65万円の控除を受ける場合は、これらに加えてe-Taxによる申告または一定の電子帳簿保存の要件を満たす必要があります。
つまり、「事業所得だから65万円控除」というわけではありません。 青色申告の承認を受けたうえで、控除額に応じた記帳・申告などの要件を満たす必要があります。
なお、開業届については提出したから事業所得になる、提出しなければ事業所得にならない、というものではありません。 所得区分は実際の副業の活動実態などから判断されます。
事業所得を目指しやすいおすすめの副業4選
副業にはさまざまな種類がありますが、継続的に仕事を受けたり、自ら顧客を開拓しながら収入を得る副業は事業としての実態を作りやすい傾向があります。
ただし、特定の副業を始めれば自動的に事業所得になるわけではありません。国税庁は事業所得に該当するかどうかについて、所得を得るための活動が「社会通念上、事業と称するに至る程度」で行われているかどうかを基本的な判断基準としています。加えて記帳・帳簿書類の保存に加えて営利性や継続性、企画遂行性なども考慮されます。
そのため、以下では「事業所得になる副業」を断定するのではなく、継続的な仕事として取り組みやすく、事業としての実態を作りやすい副業を紹介します。

Webライター・編集者
Webライターや編集者は、企業やメディアから継続的に仕事を受けながら収入を得られる副業です。
例として企業から毎月一定本数の記事制作を請け負ったり、複数のクライアントと契約して記事の執筆・編集を行うような形であれば、単発のアルバイト的な仕事ではなく継続的な事業として取り組みやすくなります。
また、実績をもとに新たな顧客を開拓したり、SEOや編集など対応できる業務を増やすことで、収入を伸ばすための取り組みも行いやすい仕事です。
事業所得を目指す場合は単発の依頼を受けるだけでなく、継続的に仕事を受注し、売上や経費を帳簿に記録しながら事業として運営することが重要です。

Webデザイン・動画編集などのクリエイティブ系副業
Webデザインや動画編集、イラスト制作などスキルを活用して成果物を納品する仕事も、継続的な事業として取り組みやすい副業の一つです。例として企業からWebサイトの制作を継続して受注したり、複数のクライアントから動画編集の依頼を受けるケースが考えられます。
こうした仕事ではパソコンやソフトウェア、撮影機材など、仕事に必要な設備・サービスへ継続的に投資することもあります。さらに自分で営業したり、ポートフォリオサイトやSNSを活用して顧客を獲得することで、事業としての活動範囲を広げることもできます。
一方で、知人から年に数回だけ依頼を受ける程度であれば必ずしも事業所得になるとは限りません。仕事の頻度や収入だけでなく、継続性や事業としての取り組み方を含めて判断する必要があります。

オンライン講師・コンサルタント
自分が持っている知識や経験を活かして、オンライン講師やコンサルタントとして活動する方法もあります。語学やプログラミング、資格取得などをオンラインで教えたり、マーケティングや営業など特定分野の知識を活かして企業にアドバイスを提供したりする仕事です。
継続的に受講者や顧客を獲得するためにWebサイトを作ったり、SNSで情報発信や広告を出したりするなど、自ら集客・営業を行ってサービスを提供する形に発展させやすい点が特徴です。
単発の講演や一度きりの相談だけではなく、継続的にサービスを提供し売上を増やすための取り組みを行っている場合は、事業としての実態を備えているかどうかを検討しやすくなります。

SNS運用・コンテンツ制作
企業や個人のSNS運用を代行したり、自分でコンテンツを制作・発信する副業も継続的な事業として取り組みやすい仕事です。
仕事内容としては企業のInstagramやXなどの投稿作成・運用を継続して請け負ったり、SNS用の動画や画像を制作するといったことが挙げられます。クライアントと継続的に契約して毎月一定の業務を行う形であれば、単発の仕事と比べて事業としての実態を作りやすくなります。
また、SNS運用では投稿の企画や制作だけでなく、分析や改善、フォロワー獲得など、継続的に取り組む業務も多くあります。実績を作って取引先を増やしたり、対応できる業務を広げることで事業を拡大していくことも可能です。
一方で知人から数回だけSNS投稿を作成して報酬を受け取ったようなケースでは、仕事の頻度や継続性などを踏まえて判断する必要があります。SNS運用という仕事内容だけで事業所得になるわけではなく、どのような形で継続して仕事を行っているかが重要です。

事業所得をねらえる副業を探すおすすめの方法3選
事業として継続できる副業を始めるには、自分のスキルや経験を活かしながら無理なく続けられる仕事を見つけることが重要です。
副業の探し方には、仕事専用SNSや求人サイト、副業エージェントなどさまざまな方法があります。それぞれ仕事の見つけやすさや企業とのつながり方が異なるため、自分の経験や希望する働き方に合った方法を選ぶことがポイントです。
ここでは副業を探す代表的な3つの方法と、それぞれの特徴を紹介します。
仕事専用SNSを使う
本業で培ったスキルや経験を活かして副業を始めたい人には、仕事専用SNSの活用がおすすめです。
仕事専用SNSでは職歴やスキル、実績などをプロフィールに登録し、公開されている募集に応募したり、企業からスカウトを受けたりできます。求人サイトのように募集を探すだけでなく、自分のプロフィールを見た企業から仕事の声がかかる可能性がある点が特徴です。
特に、仕事専用SNSの「YOUTRUST」では副業や転職に加えて、仕事上のつながりを広げられる点が特徴です。副業向けのページではマーケターやエンジニア、プロダクトマネージャーなど約200種類もの職種の募集が掲載されており、プロフィールを登録して企業からのスカウトを受けることも可能です。
また、YOUTRUSTでは副業意欲をプロフィール上で公開できるため、「副業を探している」と企業側に伝えたうえで自分に合った仕事を探せます。友人や仕事上のつながりをきっかけに、新たな副業やキャリアの機会につながる点も特徴です。
「本業の経験を活かせる仕事を探したい」「いきなり仕事を受けるのではなく、まず企業と話してみたい」という人は、仕事専用SNSから探してみるとよいでしょう。YOUTRUSTでは募集への応募後にカジュアル面談を行い、業務内容や稼働条件を確認してから仕事を始めることもできます。

副業・フリーランス向けエージェントを利用する
自分で募集を探す時間がない人や、希望条件に合った仕事を紹介してほしい人は副業・フリーランス向けのエージェントを利用する方法があります。
エージェントでは登録時にスキルや経験、希望する仕事内容、稼働時間などを伝えることで、条件に合った仕事を紹介してもらえます。「平日の夜だけ働きたい」「これまでのマーケティング経験を活かしたい」「月に○時間程度で働きたい」といった条件を伝えておけば、自分だけで募集を探すよりも効率的に仕事を絞り込めます。
一方で、エージェントによって取り扱っている職種や仕事、稼働条件などが異なります。そのため、自分の希望する働き方やスキルに合ったサービスを選ぶことが大切です。
求人サイト・クラウドソーシングで募集を探す
求人サイトやクラウドソーシングを利用して、自分で副業の募集を探す方法もあります。求人サイトでは副業可・業務委託可などの条件から仕事を検索できるほか、職種や勤務地、リモート勤務の可否などから募集を絞り込めます。
クラウドソーシングではライティングやデザイン、動画編集、データ入力など、さまざまな仕事が掲載されています。特定のスキルを使った仕事を探したい場合にも利用しやすいでしょう。
ただし、募集によって報酬や業務範囲、納期、稼働時間などの条件は大きく異なります。応募する前は仕事内容だけでなく、報酬体系や必要な稼働時間、契約条件まで確認することが重要です。
また、事業所得を目指して副業を継続するのであれば単発の仕事を繰り返すだけでなく、YOUTRUSTのような仕事専用SNSも併用して活用し、継続的に仕事を受けられる募集を探すとよいでしょう。

副業と事業所得に関するよくある質問
副業を事業所得として申告する場合、「会社に副業がばれることはある?」「開業届を出せば事業所得になる?」など、さまざまな疑問が生じます。
特に事業所得と雑所得の違いや確定申告の要否は、副業の収入額だけでは判断できないケースもあるため注意が必要です。
ここでは副業と事業所得についてよくある質問を取り上げ、申告前に知っておきたいポイントを解説します。
副業が事業所得になるのはいくらから?
副業が事業所得になるかどうかについて、「年間○万円以上なら事業所得」という一律の基準はありません。
事業所得とは事業から生じる所得をいい、事業所得に該当するかどうかは仕事内容や収入額だけでなく継続性や営利性、事業としての取り組み方などを含めて判断されます。
例として年間の売上が少なくても継続的に顧客を獲得し、事業として利益を得るための活動を行っている場合は、事業所得に該当する可能性があります。
一方で、売上がある程度あったとしてもたまに仕事をする程度で、事業としての実態が乏しい場合には、雑所得などに該当する可能性があります。
なお、「年間300万円以上なら事業所得」という基準があるわけでもありません。300万円という金額は事業所得と業務に係る雑所得の区分を判断する際に、帳簿書類の保存状況などと合わせて考慮される基準の一つであり、事業所得になるための収入額ではありません。
開業届を出せば副業が事業所得になる?
事業所得に該当するかどうかは、実際の副業の活動内容や継続性、営利性などを踏まえて判断されます。そのため「事業所得として申告したいから開業届を出す」というだけでは、所得区分を自由に選べるわけではありません。
一方で事業として副業を行う場合には、開業に関する届出や青色申告を利用するための手続きなどが関係してきます。
特に青色申告を利用する場合は、「所得税の青色申告承認申請書」を期限までに提出する必要があります。期限は原則としてその年の3月15日まで、新たに事業を開始した場合は開始日によって提出期限が異なります。
したがって、「開業届」と「事業所得」は別のものとして考えることが重要です。
副業を事業所得として申告すると会社にばれる?
副業を事業所得として申告したことだけを理由に、勤務先へ自動的に通知されるわけではありません。ただし、副業によって住民税額が変わることで勤務先に副業をしていることを推測される可能性はあります。
会社員の住民税は、原則として給与から天引きする「特別徴収」で納付します。副業の事業所得がある場合はその所得も含めて住民税が計算されるため、本業の給与だけをもとに計算した場合よりも住民税額が高くなることがあります。
副業の事業所得にかかる住民税については、確定申告時に「自分で納付」を選択できる場合があります。国税庁によると、給与・公的年金等以外の所得に対する住民税は、「特別徴収(給与から天引き)」または「自分で納付」のいずれかを選択できます。
そのため、事業所得の副業を勤務先に知られたくない場合は、確定申告時の住民税の徴収方法を確認することが一つの対策になります。
ただし、「自分で納付」を選択すれば、必ず会社に副業がばれないというわけではありません。住民税以外にも、本人の発言やSNSでの発信などから副業を知られる可能性があります。
また、勤務先によっては副業に関する就業規則が定められている場合もあるため、税務上の手続きだけでなく、勤務先の副業に関するルールも事前に確認しておくことが大切です。
なお、「会社にばれたくないから確定申告をしない」という対応は避けましょう。会社員でも、一定の条件に該当する場合は副業などの所得について確定申告が必要です。
実際に給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
まとめ|副業の実態を踏まえて適切な所得区分で申告しよう
副業で得た所得は、収入額だけで事業所得になるわけではありません。継続性や営利性、事業としての取り組み方、記帳・帳簿書類の保存状況などを踏まえ、事業として行っていると認められるかどうかを判断することが重要です。
事業所得に該当する場合は、要件を満たすことで青色申告特別控除を利用できたり、副業で生じた赤字を本業の給与所得などと損益通算できる場合があります。一方で帳簿の作成や書類の保存、青色申告に関する手続きなども必要になるため、メリットだけでなく管理の手間も理解しておきましょう。
また、事業所得として申告するためには「いくら稼げばいいか」ではなく、副業を継続的な事業として行っているかどうかがポイントです。これから副業を始める場合は、自分のスキルや経験を活かしながら、無理なく継続できる仕事を探すことから始めてみましょう。
副業を探す方法には、求人サイトやエージェントのほか、仕事専用SNSもあります。なかでも「YOUTRUST」なら、プロフィールにこれまでの経験やスキルを登録し、副業の募集を探したり、企業からスカウトを受けることが可能です。
本業で培ったスキルを活かして副業を始めたい人や、将来的に継続して取り組める仕事を探している人は、YOUTRUSTで自分に合った副業を探してみるのもよいでしょう。

※本記事の制作には生成AIを活用していますが、編集者によってファクトチェック・編集をしています。また、掲載している画像はすべて編集者が制作したものです。


















