副業を法人化する4つのメリットを専門家が解説!社会保険はどうなる?会社にばれる?
2026.9.12(土)
副業の法人化には税負担を抑えられる可能性や、法人ならではの制度を活用できるといったメリットがある一方、設立・維持費用や事務負担、社会保険料などのコストも発生します。
そこで本記事では、副業を法人化するメリット・デメリットから、法人化のタイミングや具体的な手順、よくある疑問まで詳しく解説します。法人化を見据えた副業の探し方も紹介するので、将来的に独立や事業化を考えている人も参考にしてください。
そもそも法人化とは?会社員でも副業を法人化できる?
「副業を法人化する」と聞いても、個人で副業をする場合と何が違うのか、会社員でも法人を設立できるのか分からない人もいるでしょう。
法人化とは、個人で行っている事業について会社などの法人を設立し、その法人を事業の主体として運営することです。副業では個人事業主として活動する方法のほか、株式会社や合同会社を設立して事業を行う方法があります。法務局でも株式会社や合同会社の設立登記の手続きが案内されています。
また、会社員として本業を続けながら副業のために法人を設立することも可能です。ここではまず「法人化とは何か」「会社員でも副業を法人化できるのか」という基本的な仕組みを確認しましょう。

法人化とは、個人ではなく「法人」を事業の主体にすること
法人化とは事業を行うための法人を設立し、個人ではなく法人を事業の主体として活動することです。
例えば個人でWebライティングの副業をしている場合、仕事の契約や売上、経費などは基本的に個人に帰属します。一方で法人化して会社を設立すると会社が取引の主体となり、会社名義で事業を行います。
副業を法人化する場合は、株式会社や合同会社などの会社を設立する方法があります。法務局では、株式会社・合同会社それぞれについて設立登記の手続きが案内されています。
なお、法人化したからといって単に「副業の名前を会社名に変える」というわけではありません。法人を設立すると、法人として登記や税務上の手続きなどを行う必要があります。実際に国税庁は法人を設立した場合、法人設立届出書を提出する必要があると案内しています。
そのため、法人化を検討するときはメリットだけでなく、設立後に必要となる手続きや管理の負担も含めて考えることが大切です。
会社員でも副業を法人化できる
結論、会社員として働きながら副業のために法人を設立することは可能です。
法人を設立するには、会社員を辞めて独立する必要はありません。本業では会社員として勤務しながら、副業については自分が設立した法人を通じて事業を行うという働き方もできます。
例として、本業で会社員として働きながら休日や勤務時間外にWeb制作やコンサルティングなどの副業を行い、その事業を法人化するケースが考えられます。
ただし、「会社員でも法人を設立できる」ことと、「勤務先に関係なく自由に副業できる」ことは別です。 実際に法人化する前には、勤務先の就業規則や副業に関する社内ルールを確認しておく必要があります。
また、法人を設立すると、法人として税務上の手続きなども必要になります。国税庁によると、法人を設立した場合には法人設立届出書を納税地の所轄税務署に提出することとされています。
そのため、会社員が副業を法人化する場合は「法人を設立できるか」だけでなく、現在の勤務先のルールや法人設立後に必要な手続きも確認したうえで検討することが重要です。
法人化と個人事業主の違い
副業を始める場合、個人事業主として活動する方法と、法人を設立して事業を行う方法があります。どちらも副業の事業を行うための方法ですが、事業の主体や税務上の扱いなどが異なります。
個人事業主の場合は、個人が事業の主体となります。例えばWebライターとして報酬を受け取った場合、その収入から必要経費などを差し引いた所得を個人の所得として申告します。
一方、法人化すると設立した会社が事業の主体になります。副業で得た売上や経費なども原則として法人のものとして扱われ、法人として決算や税務申告などを行います。
個人事業主と法人の主な違いをまとめると、以下のとおりです。
| 個人事業主 | 法人 | |
| 事業の主体 | 個人 | 株式会社・合同会社などの法人 |
| 開業・設立 | 開業届など | 法務局で設立登記 |
| 税務申告 | 個人の所得税など | 法人税など |
| 経理・事務 | 比較的シンプル | 個人事業より複雑になりやすい |
個人事業主として副業を始める場合、法人の設立登記は必要ありません。一方、法人化する場合は会社を設立して登記する必要があります。法務局では株式会社や合同会社の設立登記に関する手続きが案内されています。
このように、法人化すると事業の主体が「自分」から「設立した法人」に変わる点が個人事業主との大きな違いです。どちらが適しているかは事業の規模や利益、今後の事業展開などによって異なるため、次章以降で法人化による具体的なメリット・デメリットを確認していきましょう。
副業を法人化する4つのメリット|税金や信用面で有利になる場合も
副業を法人化すると、個人事業主として副業を行う場合と比べて税金や事業運営、社会的信用などの面でメリットを得られる場合があります。
特に副業の利益が大きくなってきた場合や、今後事業を拡大したい場合には法人化が選択肢の一つになります。法人と個人では所得にかかる税金の仕組みが異なるほか、法人として事業を行うことで、個人事業主とは異なる形で経費や報酬を扱える場合があります。
一方で、法人化すれば必ず税金が安くなるわけではありません。法人を設立すると税務・会計などの事務負担が増えるほか、法人事業所は健康保険・厚生年金保険の適用対象となるため、社会保険についても考える必要があります。
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利益が大きくなると、所得税と法人税の税率差によって税負担を抑えられる可能性がある
法人化の大きなメリットの一つが、個人事業主と法人で異なる税率や所得の仕組みを活用できる可能性があることです。
個人事業主の場合、副業の利益は原則として個人の所得として扱われ、本業の給与所得などと合算して所得税が計算されます。所得税は累進課税のため、課税所得が増えるほど税率も高くなります。
一方で法人化すると、副業で得た利益は法人の所得として法人税の課税対象になります。例として普通法人の法人税率は、資本金1億円以下の法人などについて所得のうち年800万円以下の部分には15%、それを超える部分には23.2%という税率が適用されます(一定の法人を除く)。
そのため、副業の利益が大きくなるほど、個人で事業を続ける場合と法人化した場合で税負担に差が生じる可能性があります。
さらに法人化すると、自分が設立した会社から役員報酬を受け取ることもできます。一定の要件を満たす役員報酬は法人税の計算上、損金として扱うことができます。
このとき、副業法人の利益をすべて個人に移すのではなく、法人に残す利益と役員報酬として受け取る金額を分けることができます。役員報酬は個人側では給与所得として扱われるため、法人と個人それぞれの所得を考慮して利益の配分を設計できる点が特徴です。
また、法人に残した利益は将来の広告費や設備投資、外注費などの事業資金としても活用できます。
ただし、法人化による税負担は法人税だけで判断できません。法人住民税や法人事業税、役員報酬にかかる所得税・住民税、社会保険料なども考慮する必要があります。
そのため、「副業で○万円稼いだら法人化すべき」と一律には判断できず、実際に残る利益を基準にシミュレーションすることが重要です。
法人ならではの税務上の制度を活用できる
副業を法人化すると、個人事業主とは異なる税務上のルールが適用されるため、事業の状況によっては個人事業主にはない制度を活用できる場合があります。
例えば、法人が役員のために一定の要件を満たす社宅を用意した場合や、一定の要件を満たす退職金を支給した場合など、法人だからこそ利用できる税務上の仕組みがあります。
また、法人化すると法人名義の口座やクレジットカードなどを利用して、事業に関する収支を個人の生活費と分けて管理しやすくなります。
ただし、「法人にすれば何でも経費にできる」というわけではありません。法人の事業に必要な支出であることなど、経費として認められるための要件があります。
副業の規模が小さいうちは個人事業主でも十分に管理できる場合がありますが、取引や支出が増えてきた場合には、法人として事業と個人のお金を明確に分けるメリットを感じやすくなるでしょう。
法人として取引することで、仕事の選択肢が広がる場合がある
法人化すると、個人ではなく法人を契約主体として企業と取引できるようになります。
企業によっては業務委託先として法人を求めたり、個人よりも法人との契約を優先する場合があります。そのため、法人化することで取引できる企業の選択肢が広がる可能性があります。
また、法人名義で契約や請求を行うことで、個人の副業とは異なる形で事業を運営できます。
ただし、法人化しただけで取引先からの信用が自動的に高まるわけではありません。実績や専門性、サービス内容なども重要です。
そのため、「法人にすれば仕事が増える」と考えるのではなく、法人であることが取引上のメリットになる事業なのかを考えることが大切です。
事業を拡大しやすく、将来的な独立にもつなげやすい
副業を将来的に本業へ発展させたい場合、法人化によって事業を拡大するための基盤を作りやすくなることもメリットです。
法人として事業を運営すれば、売上や利益、契約などを法人単位で管理できます。将来的に従業員を雇ったり、外注先を増やしたり、新しいサービスを展開する場合にも法人という形態を活用できます。
例として最初は会社員として副業を行い、事業が軌道に乗った段階で副業法人を本格的に成長させ、将来的に独立するといった選択肢も考えられます。
一方で、法人化すると法人税の申告や帳簿の作成など、個人事業主よりも事務負担が大きくなる傾向があります。また、法人事業所は原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となるため、会社員を続けながら副業法人を運営する場合は、社会保険の取り扱いも確認が必要です。
そのため、法人化は「節税のためだけ」に行うのではなく、今後どの程度副業を成長させたいのか、法人として事業を運営する必要があるのかという視点から検討するとよいでしょう。
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副業を法人化する4つのデメリット|コストや事務負担も考慮しよう
副業の法人化には節税や信用力の向上などのメリットがある一方で、法人ならではのコストや事務負担が発生するというデメリットもあります。
特に副業の利益がまだ小さい段階で法人化すると、法人住民税の均等割や税理士費用などが負担となり、個人事業主のままのほうが手元に残る金額が多くなるケースもあります。
ここでは、副業を法人化する前に知っておきたい主なデメリットを解説します。
法人の設立・維持にコストがかかる
副業を法人化すると、会社を設立する際の費用だけでなく法人を維持するための継続的なコストも発生します。
例を挙げると、株式会社の場合は定款認証や登録免許税などが必要で、合同会社でも登録免許税などの設立費用がかかります。個人事業主であれば開業届を出すだけで無料で副業を始められますが、法人設立には株式会社の場合は約20万〜25万円、合同会社の場合でも約6万〜10万円程度の初期費用が必要です。
また、法人化後は法人税の申告や決算、社会保険の手続きなど個人事業主よりも対応すべき事務が増えます。
さらに、法人はたとえ赤字であっても法人住民税の均等割が発生する点にも注意が必要です。税額は自治体や資本金、従業員数などによって異なりますが、最低でも年間約7万円かかります。「利益が出なければ税金は一切かからない」というわけではありません。
副業の利益がまだ少ない場合は、こうした固定的なコストによって法人化のメリットを上回ってしまう可能性があります。
経理・税務などの事務負担が増える
法人化すると、個人事業主のときよりも会計・税務処理が複雑になりやすい点もデメリットです。
法人には事業年度ごとに法人税の確定申告を行う義務があります。取引の記録や決算書類の作成なども必要になるため、事業規模によっては税理士などの専門家に依頼するケースもあります。
さらに法人の会計処理は厳格なルールに基づいた「複式簿記」で行う必要があり、決算申告の手続きも個人事業主の確定申告より遥かに複雑です。そのため税理士に依頼するのが一般的で、その顧問料や決算料(年間数十万円〜)もコストになります。
加えて社会保険や労働保険の手続き、源泉徴収の納付など、総務・労務まわりの事務作業も発生します。「副業だからできるだけ手間をかけたくない」という人にとっては、法人化による事務負担が大きなハードルになるでしょう。
社会保険料の負担が増える可能性がある
副業を法人化する際に特に注意したいのが、社会保険の取り扱いです。
法人を設立しても、「役員報酬を支給しない(無報酬)」場合は副業法人で社会保険に加入する必要(および加入すること)はありません。一方、副業法人から役員報酬を支給する場合は金額にかかわらず社会保険の対象となり、本業と合わせて二重加入の手続きが必要になります。
この時、社会保険料は会社と個人で折半して負担しますが、実質的には全額を自分の会社が得た利益から支払うことになります。
また、本業と副業法人の両方で社会保険の加入要件を満たす場合には「二以上事業所勤務届」などの手続きが必要になるケースもあります。
法人化による節税効果だけを見て判断すると、社会保険料の負担や手続きまで含めたときに想定していたほど手元に残る金額が増えない可能性があります。
副業の売り上げや利益を自由に使えなくなる
個人事業主として副業する場合、事業用口座に入った利益から生活費などを支出すること自体は、法人ほど厳格に区別されません。
一方、法人化すると法人と個人は法律上別の存在になります。そのため、法人の売上や利益を個人のお金と同じ感覚で自由に使うことはできません。例として法人の利益を自分が受け取る場合は、役員報酬や配当などそれぞれのルールに沿った方法で処理する必要があります。
副業で得た利益をそのまま生活費に充てたい人にとっては、資金管理の自由度が下がることも法人化のデメリットといえるでしょう。
副業を法人化するタイミングは?判断軸と検討すべき3つのポイント
副業を法人化するかどうかは、単純に「副業の所得が〇万円を超えたら」といった基準だけで判断するものではありません。所得の大きさや税負担、社会保険料、法人の維持費、今後の事業規模などを総合的に比較することが大切です。
特に副業の利益が安定して増えてきた場合や事業を本格的に拡大したい場合は、法人化によって税務上・事業上のメリットを得られる可能性があります。一方で法人化すると個人事業主にはない維持費や事務負担なども発生するため、メリットだけで決めるのは避けましょう。
ここでは副業を法人化するか判断する際のポイントと、具体的に検討しやすいタイミングについて解説します。

法人化するかは「利益・税負担・事業規模」の3点から考える
副業を法人化するかどうかを判断するときは、まず「どれくらい利益が出ているか」「法人化によって税負担がどう変わるか」「今後どこまで事業を拡大するか」の3点を確認しましょう。
個人事業主のまま副業を続ける場合は事業で得た所得が個人の所得として扱われ、所得税や住民税などが課されます。一方で法人化すると、法人の利益に対して法人税などが課されるほか、役員報酬を設定することで個人側にも所得税などが発生します。
また、法人化すると税金だけでなく法人住民税の均等割、社会保険料、会計・税務手続きなど、個人事業主にはない負担も生じます。そのため、「法人税率が低いから法人化する」という単純な判断ではなく、法人化後に発生するコストまで含めて比較することが重要です。
さらに副業を今後も個人で続けるのか、従業員を雇ったり法人名義で契約して事業を拡大するのかによっても、適した形は変わります。
副業の所得が安定して増えてきたら法人化を検討する
法人化を検討するタイミングとして、まず確認したいのが副業の所得(売上から必要経費を差し引いた利益)の水準です。
一般的には、副業の年間所得が800万円〜900万円前後になると法人化による税負担の変化を具体的に検討しやすくなるとされています。個人の所得税は所得が増えるほど税率が高くなる累進課税であるため、所得が大きくなるほど、個人事業主のまま続ける場合と法人化した場合の税負担を比較する意味が大きくなります。
ただし、「所得が800万円を超えたら必ず法人化すべき」というわけではありません。所得400万円程度から法人化を検討するケースもありますが、法人化すると法人住民税の均等割や税理士費用、社会保険料などの負担が発生する可能性があります。
そのため所得だけで判断するのではなく、法人化によって増える税務・社会保険・維持コストと、税負担を抑えられる可能性を比較することが大切です。
また、一時的に所得が増えただけの場合はすぐに法人化する必要はありません。今後も一定以上の利益を安定して確保できる見込みがあるかも含めて検討しましょう。
売上が1,000万円を超え、消費税の課税事業者になるタイミングも検討材料
副業の売上が大きくなってきた場合は、消費税の納税義務が発生するタイミングも法人化を考えるきっかけになります。
個人事業主の場合、基準期間における課税売上高が1,000万円を超えるなど一定の条件を満たすと消費税の課税事業者になります。個人事業主の基準期間は原則として前々年なので、売上が1,000万円を超えた年に直ちに消費税を納めるとは限りません。
このタイミングで法人を設立して事業を法人へ移す「法人成り」を行うと、新設法人は一定の条件を満たす場合、設立1期目・2期目について消費税の納税義務が免除されることがあります。
ただしインボイス制度への登録状況や資本金、特定期間の売上高などによって扱いが変わるため、「法人化すれば2年間必ず消費税が免除される」と考えるのは避けましょう。
また、取引先からインボイスの発行を求められている場合は免税事業者になることによる取引上の影響も考慮する必要があります。法人化による消費税負担だけを見るのではなく、取引先との関係やインボイス登録の必要性まで含めて判断することが重要です。
しかし、設立1期目の前半6ヶ月(特定期間)の売上高または給与支払額が1,000万円を超えた場合や、インボイス発行事業者として登録した場合は2期目(または登録時)から消費税の課税事業者となるため注意が必要です。
法人化によるコストとメリットを比較して判断する
法人化すると税負担を抑えられる可能性がある一方で、個人事業主にはないコストや手続きが発生します。
| 項目 | 個人事業主 | 法人 |
| 設立時の費用 | 原則不要 | 登記などの費用が必要 |
| 税務申告 | 比較的シンプル | 法人税申告など事務負担が大きい |
| 法人住民税の均等割 | なし | 利益がなくても原則発生 |
| 社会保険 | 条件に応じて加入 | 法人は原則として社会保険の適用事業所 |
| 経理・会計 | 比較的簡単 | 法人としての管理が必要 |
| 事業拡大 | 個人名義で対応 | 法人名義での契約・雇用などがしやすい |
このように法人化にはメリットだけでなく、設立費用・維持費・税務手続き・社会保険などの負担があります。
そのため、「節税できそうだから」という理由だけで法人化するのではなく、法人化した場合にどの程度コストが増えるのかを試算し、個人事業主のまま続けた場合と比較することが大切です。
注意:法人化のタイミングは「利益が増えたとき」だけではない
法人化は、必ずしも「副業の利益が〇万円を超えたら行う」というものではありません。現在の利益だけでなく、今後どのように副業を成長させたいかも含めて判断することが重要です。
実際に以下のような状況になった場合は、法人化を具体的に検討するタイミングといえるでしょう。
- 副業の利益が毎年安定して増えている
- 所得が800万〜900万円前後になり、税負担の差が大きくなってきた
- 売上規模が大きくなり、消費税の課税関係が変わる可能性がある
- 法人名義で企業と契約したい
- 従業員を雇用して事業を拡大したい
- 副業を将来的に本業へ発展させたい
- 法人化によるコストを負担してもメリットが見込める
特に企業との取引を増やしたい、従業員を雇用したい、事業資金を調達したいなど、今後の事業拡大を考えている場合は法人化によって事業運営の選択肢を広げられる可能性があります。
一方で利益がまだ少なく、今後も自分一人で小規模な副業として続ける予定であれば、法人化によるメリットよりも、設立・維持にかかるコストや税務・経理などの事務負担が大きくなるケースもあります。
そのため、「どれくらい稼いでいるか」だけでなく、「これから副業をどうしたいか」まで考えることが大切です。「利益・税負担・事業規模」の3点を比較し、自分の副業にとって法人化するメリットが上回るタイミングを見極めましょう。
副業を法人化する方法・手順を5ステップで解説
副業を法人化する場合、単に「法人化します」と税務署へ届け出るだけではありません。法人の基本事項を決める→会社を設立する→登記する→税務・社会保険の手続きをする→副業の事業を法人へ移すという流れで進めます。
法人には株式会社や合同会社などの形態があり、それぞれ設立手続きや費用などが異なります。特に会社員が副業を法人化する場合は法人設立そのものに加えて、勤務先の就業規則や社会保険への影響、現在の個人事業との関係なども確認しておく必要があります。
ここでは、副業を法人化するときの基本的な手順を5つのステップに分けて解説します。

STEP1:会社の基本事項を決める
まず、設立する法人の基本事項を決めます。具体的には以下のような項目です。
- 会社形態(株式会社・合同会社など)
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 事業目的
- 資本金
- 事業年度
- 役員・社員
- 法人化する副業の事業内容
副業の法人化では、株式会社と合同会社のどちらを選ぶかも重要です。株式会社は株主と経営者の立場が分かれる会社形態で、一般的な株式会社としての信用力を得やすい一方、設立時に定款認証が必要です。
一方で合同会社は定款の公証人認証が不要で、株式会社と比べて設立手続きを簡略化しやすい特徴があります。副業を一人で行う場合は、設立・維持の負担や今後の事業展開を考えて会社形態を選ぶとよいでしょう。
また、事業目的は現在行っている副業だけでなく、今後展開する可能性がある事業も考慮して設定します。
STEP2:定款を作成し、資本金を払い込む
会社の基本事項を決めたら、定款を作成します。定款とは会社の目的や商号、本店所在地など、会社運営の基本的なルールを定めた書類です。
株式会社を設立する場合は、原則として定款について公証人の認証を受ける必要があります。一方、合同会社では株式会社とは異なり定款の公証人による認証は必要ありません。
その後、定款などで定めた資本金を払い込みます。合同会社の設立登記に関しても、出資の払込みがあったことを証する書面などを添付書類として準備すると良いでしょう。
なお、副業を法人化する場合、資本金をいくらにするかは慎重に決めましょう。資本金の額は税務上の扱いなどにも関係するため、「とりあえず少額にすればよい」とは限りません。
STEP3:法務局で法人設立登記を行う
定款の作成や資本金の払込みなどが済んだら、法務局で法人の設立登記を行います。法人は設立登記をすることで、法律上の法人として成立します。
株式会社の場合、法務局ではオンラインによる設立登記申請にも対応しており、マイナンバーカードを利用して代表取締役本人が申請する方法も案内されています。また、法人設立ワンストップサービスを利用して、関連する設立手続きをまとめてオンラインで行うこともできます。
合同会社についても、法務局が設立登記申請書や添付書類、オンライン申請などの手続きを案内しています。
登記が完了すると、法人番号も付与されます。法人番号公表サイトでは、設立登記が完了した法人の基本3情報(商号・所在地・法人番号)が原則として掲載されます。
STEP4:税務署・年金事務所などで必要な手続きを行う
法人を設立したら、次に税務や社会保険に関する各種手続きを行います。
国税庁によると、普通法人を設立した場合、原則として法人設立の日(設立登記の日)以後2か月以内に「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署へ提出します。なお、e-Taxによる提出も可能です。
また、法人税の申告について青色申告を利用する場合は「青色申告の承認申請書」を提出します。設立1期目から青色申告を利用する場合は、原則として設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了日のいずれか早い日の前日までが提出期限です。
そのほか、給与を支払う場合の源泉所得税関係の手続きや消費税・インボイス制度に関する手続きなど、法人の状況に応じて必要な届出があります。
さらに、法人事業所は健康保険・厚生年金保険の適用についても確認が必要です。日本年金機構によると、株式会社などの法人事業所は原則として健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所に該当します。
会社員が副業を法人化する場合は本業の会社ですでに社会保険に加入しているケースもあるため、法人化後の役員報酬や社会保険の扱いについて、事前に年金事務所などへ確認しておくと安心です。
STEP5:副業の事業を法人へ移す
法人の設立や各種届出が完了したら、最後にこれまで個人で行っていた副業を法人の事業として運営する体制へ切り替えます。例えば、以下のような項目を法人名義へ変更します。
- 取引先との契約
- 業務委託契約
- 請求書・領収書
- 銀行口座
- Webサイト・サービスの契約
- 売上の入金先
- 事業用の支払い
- 会計・経理の管理
個人事業主としてすでに副業を行っている場合は、「法人を設立しただけで、これまでの事業が自動的に法人へ移る」わけではありません。法人化後は法人の売上と個人の所得を明確に分け、法人名義で行う取引や資産などを整理する必要があります。
なお、個人事業のすべてを法人へ引き継いで廃業する場合には、個人事業の廃業に関する手続きも必要になります。
法人化を見据えた副業の探し方|将来の事業化につながる仕事を選ぼう
副業を将来的に法人化したいと考えているなら目先の収入だけで副業を選ぶのではなく、継続的に利益を得られるか、スキルや実績を積み上げられるか、事業として発展させられるかまで考えて探すことが大切です。
単発で終わる仕事よりも継続的な業務を選んだり、自分の専門性を活かせる仕事を選ぶことで将来的な法人化や事業拡大につながる可能性があります。
ここでは法人化を見据えて副業を探す方法と、仕事を選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
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仕事専用SNSを活用して、継続的な副業を探す
法人化を見据えて副業を始めるなら、仕事専用SNSを活用して自分のスキルや経験を活かせる仕事を探すのも一つの方法です。
仕事専用SNSでは企業と直接つながりながら副業を探せるため、目の前の仕事を見つけるだけでなく、企業とのつながりを作ったり、自分のスキルに対する市場からの評価を知る機会にもなります。
なかでも仕事専用SNS「YOUTRUST」は、副業や転職などのキャリア機会を探せる仕事専用SNSです。副業意欲やプロフィールを登録しておくことで、企業からスカウトを受けられるほか、興味を持った企業とカジュアルにつながることもできます。
法人化を考えている人にとっては、こうしたつながりを将来の取引先や顧客との関係づくりにつなげられる可能性がある点もメリットです。実際にYOUTRUSTで副業のスカウトを受けたことをきっかけに、起業した人もいます。
YOUTRUSTを利用していた清重愛一郎さんは、最初は「何かいい副業がないかな」と副業先を探していました。そこでYOUTRUSTに登録し、「多くの企業からスカウトを受けたことが、独立してもやっていけるかもしれない」という自信につながり、起業を決意。さらに、起業前にYOUTRUSTでつながった企業が、起業後のクライアントにもなっています。
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このように法人化を見据えて副業を探すなら、「今すぐ仕事を得られるか」だけでなく、「将来の事業につながる人脈や実績を築けるか」という視点を持つことも大切です。

なお、副業を始める前は勤務先の就業規則や社内規定を確認し、副業に関する届出・申請などが必要かどうかも確認しておきましょう。
クラウドソーシングで自分のスキルを活かせる仕事を探す
副業を始めたばかりで、まずは実績を作りながら仕事を探したい人にはクラウドソーシングも選択肢になります。
クラウドソーシングではWebライティングやWebデザイン、動画編集、プログラミング、事務作業などさまざまな仕事が掲載されています。自分の経験やスキルに合った仕事を検索し、条件を比較しながら応募できます。
特に副業初心者の場合、最初から「法人化できるほどの事業」を作ろうとする必要はありません。まずはクラウドソーシングで仕事を受け、実績を作る→得意分野を見つける→継続的な仕事を増やす→提供できるサービスを広げるという形で、徐々に事業としての土台を作ることもできます。
例としてWebライティングから始めてSEOコンサルティングやコンテンツ制作まで対応する、Webデザインからサイト運用やマーケティング支援まで広げるといった形です。
ただしクラウドソーシングでは仕事ごとに条件が異なるため、単発の仕事を繰り返すだけにならないよう長期・継続の仕事にも目を向けることがポイントです。
副業・フリーランス向けの求人サイトで、条件に合う仕事を探す
副業・フリーランス向けの求人サイトには週1〜数日、リモート可、土日だけなど、副業として働きやすい条件の仕事が掲載されています。本業との両立を優先したい人でも、自分の働き方に合った仕事を探しやすいでしょう。
また、求人サイトによっては企業と直接契約できる仕事や、長期的に継続できる仕事も見つけられます。将来的に法人化を考えているなら、単発で終わる仕事だけでなく、継続的な取引につながる仕事を選ぶことがポイントです。
副業を続けるなかで特定の企業との取引が安定すれば売上の見通しを立てやすくなり、法人化後の顧客基盤にもつながります。さらに、実際の業務を通じて自分の得意分野や提供できるサービスを明確にできる点もメリットです。
一方で求人サイトだけに頼っていると、掲載されている仕事の条件や募集状況に左右されやすいというデメリットもあります。また、プラットフォームを介して仕事を探す場合、サービスによっては手数料が発生することもあります。
そのため、YOUTRUSTなどの仕事専用SNSを併用して活用しながら実績や企業とのつながりを増やし、徐々に直接依頼や継続的な取引につなげていくとよいでしょう。

SNSやポートフォリオで実績を発信し、自分から仕事を獲得する
SNSやポートフォリオを活用して自分のスキルやこれまでの実績を発信し、企業からの問い合わせや仕事の依頼につなげる方法もあります。Webライターなら執筆実績や得意分野、デザイナーなら制作物、エンジニアなら開発したサービスなどをまとめておくことで、「自分が何を提供できるのか」を具体的に伝えられます。
この方法のメリットは仕事を探すだけでなく、自分が今後伸ばしたい分野や提供したいサービスに合わせて営業先を選べることです。
例として将来的にWebマーケティングを軸に法人化したいのであれば、SEOや広告運用など、自分が事業の中心にしたい領域の実績を意識的に発信できます。実績が増えてくれば「何ができる人なのか」という専門性も明確になり、法人化した後のサービス設計や営業にも活かしやすくなります。
一方でSNSやポートフォリオから仕事を獲得するには、発信する実績を作ったり、自分から企業に営業する必要がある点はデメリットです。特に実績が少ないうちは、発信を続けてもすぐに仕事につながるとは限りません。また、SNSでの発信内容を考えたりポートフォリオを更新するなど、仕事を獲得するための準備にも時間がかかります。
そのため、最初からSNSやポートフォリオだけで仕事を探すのではなく、求人サイトやYOUTRUSTなどの仕事専用SNSなどで仕事を見つけながら実績を作り、「将来どのような事業をしたいのか」を意識して発信内容を整えていくとよいでしょう。

副業の法人化に関するよくある質問
副業の法人化を検討すると、「会社員のまま法人を設立して問題ない?」「勤め先に副業が知られることはない?」など、税金や会社との関係について疑問を持つ人も多いでしょう。
ここでは、副業を法人化する前に知っておきたい疑問について、会社員ならではの注意点も含めて解説します。
副業を法人化すると勤め先にばれる?
副業を法人化したことだけを理由に、勤め先へ自動的に通知されるわけではありません。
ただし、法人化すると税金や社会保険などの手続きが発生するため、状況によっては勤め先に副業や法人経営を知られる可能性があります。
最も注意したいのは社会保険の手続きです。副業法人から役員報酬を得て社会保険に加入すると「二以上事業所勤務届」の提出が必要になり、年金事務所から本業の会社へ通知書が送付されるため、確定で副業が発覚します。本業先に知られたくない場合は、副業法人での役員報酬を無報酬にして社会保険加入を回避するなどの工夫が必要です。
また、法人の役員として社会保険に加入する場合には、本業の勤務先との間で社会保険に関する手続きが必要になるケースもあります。
そのため、税金や社会保険とは別に勤務先の就業規則で副業や会社経営が制限されていないか確認することも重要です。「法人を作ること」と「副業をしてよいこと」は別の問題なので、法人化する前に勤務先の規定を確認しておきましょう。
副業を法人化すると税金が安くなる?
法人化すれば必ず税金が安くなるわけではありません。
個人事業として得た所得には所得税・住民税などがかかる一方、法人化すると法人の利益に対して法人税などが課されます。税率や所得の計算方法が異なるため、利益の大きさや役員報酬の設定などによって税負担が変わります。
また、法人化すると法人住民税の均等割や税理士費用、社会保険料など、個人事業にはない負担が発生する場合があります。
そのため、「副業の利益が○万円を超えたら必ず法人化したほうが得」と考えるのではなく、税金だけでなく法人の設立・維持コストまで含めて比較することが大切です。
副業を法人化すると確定申告は不要になる?
法人化しても、会社員個人の確定申告が必ず不要になるわけではありません。
法人化した副業については、法人が法人税の申告を行います。一方で会社員本人については、給与所得以外の所得がある場合など個人として確定申告が必要になるケースがあります。
また、法人から役員報酬を受け取る場合は、給与所得として個人側の税務処理にも関係します。法人と個人は別の存在として扱われるため、「法人を作れば自分の確定申告がすべてなくなる」とは考えないようにしましょう。
副業を法人化したら、個人事業主は廃業するべき?
必ずしも廃業する必要はありません。法人化する副業の事業を法人へ移したうえで、個人では別の事業を継続することもできます。
一方、個人で行っていた事業をすべて法人へ移し、今後は個人事業として活動しないのであれば個人事業の廃業に関する手続きが必要になります。
例としてこれまで個人名義で契約していた仕事を法人名義に変更する場合は、取引先との契約や請求書の名義、銀行口座、サービスの契約なども切り替える必要があります。
法人を設立しただけで、個人事業の契約や資産などが自動的に法人へ移るわけではない点には注意しましょう。
まとめ|副業の法人化はメリットとコストを比較して慎重に判断しよう
副業の法人化には税負担を抑えられる可能性がある、法人ならではの制度を活用できる、企業との取引や事業拡大につなげやすいなどのメリットがあります。一方で、法人の設立・維持費用や経理・税務の負担、社会保険料なども発生するため、メリットだけで判断するのは避けましょう。
また、会社員が副業を法人化する場合は、勤務先の就業規則や副業に関するルールを確認し、税金や社会保険への影響も含めて検討することが大切です。「所得が○万円になったら法人化」と一律に考えるのではなく、現在の利益やコスト、今後どこまで事業を成長させたいかを踏まえて判断しましょう。
これから副業を始めるなら、まずは自分のスキルを活かせる仕事で実績や企業とのつながりを作ることも大切です。
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「まずは副業から始めて、将来的には独立・法人化も考えたい」という人は、YOUTRUSTを活用して、自分のキャリアや事業につながる仕事を探してみてはいかがでしょうか。

※本記事の制作には生成AIを活用していますが、編集者によってファクトチェック・編集をしています。また、掲載している画像はすべて編集者が制作したものです。















