heart relation・安倉 知弘さん|副業から共同代表就任へ

heart relation・安倉 知弘さん|副業から共同代表就任へ
  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust

キャリアSNS「YOUTRUST」がきっかけで、新たなキャリアが決まった事例を紹介する「きっかけはYOUTRUST」シリーズ。 

今回インタビューしたのは、副業をきっかけにアパレルブランドの共同代表になった安倉知弘さん。

2020年12月に募集していた「すごい副業」”小嶋陽菜のD2Cブランド事業を成長させる仲間を募集”から、株式会社heart relationで副業を始めた安倉さん。「起業する前に、新しい世界を見られる最後のチャンス」として始めた副業でした。

「すごい副業」への応募から約1年。安倉さんは2022年2月22日に共同代表に就任することを発表。起業を志望していた安倉さんが今、このタイミングで共同代表就任を決めた経緯、今後の展望を取材しました。

安倉知弘さん 
2008年、 株式会社リクルート入社、 その後株式会社ディー・エヌ・エーを経て、 2013年に株式会社フリークアウト(現株式会社フリークアウト・ホールディングス)に入社。 人事部門の立ち上げを経験後、 15年にインドネシアへ移住し海外事業の責任者を務める。 17年にホールディングス取締役に就任し、 同社広告事業のグローバル化を牽引。 21年末に退職し、 2022年2月より代表取締役CEOとして株式会社heart relationに参画。

株式会社heart relation
2018年6月にローンチされたライフスタイルブランド「Her lip to」を運営する会社として、2020年1月に小嶋陽菜によって創業。アパレル領域を中心に、昨年よりビューティ領域にも事業を拡大している。

視野を広げるため未経験業界の副業に挑戦

共同代表への就任、おめでとうございます!早速ですが、「すごい副業」に応募したのはどうしてですか?

これまでさまざまな経験を重ねてきましたが、自分で起業するとなると、数十年はそこに身を投じることになります。

起業までのモラトリアム期間に携わる仕事が、新しい世界を見ることができる最後のチャンスになると考えていたんです。

リクルート、DeNAと転職を経験し、前職のフリークアウトには8年半勤めていました。インドネシア事業での立ち上げや、海外事業責任者、ホールディングス取締役などを経験し、自分で起業を志して退職。

これまで、約2年ごとに環境や業務内容を変えてきました。新しい挑戦をし続けることが、パフォーマンスを向上させる条件だったんです。

そんなときに目にしたのが小嶋陽菜さんのすごい副業。

正直、最初は「面白そう!」くらいの気持ちで応募したんです。heart relationのメイン事業であるアパレルブランド「Her lip to」のターゲットは女性ということもあり、私自身には馴染みがない会社でした。

副業での業務内容を教えてください。

経営企画、組織開発を担当しました。具体的には、事業運営にメリハリをつけるために会議体を整理することや、ドキュメンテーションをベースとする継続改善可能な事業運営の仕組みづくり、また採用戦略の策定から実行、コミュニケーション活性化施策の考案などです。

私が副業を始めた頃は、正社員、業務委託合わせて10人強の組織でした。現在は、40人強にまで増えています。※取材当時

スタートアップは規模が急拡大する過程で、指揮命令系統がカオスに陥って組織に混乱が生まれ、成長が一時停止してしまいがちです。経営メンバーと現場メンバーの情報格差が生じることも想定できました。

成長の中でも秩序を保ち、社内コミュニケーションを円滑しながら、全体の目線や足並みを意識的に揃えなければいけないフェーズにあったんです。

これまで自分がしてきた失敗、そこから得た学びを還元できる環境でした。

副業を通じて知った経営者の本気が、気持ちを前進させた

いままでのご経歴とは違った分野の、生活においても馴染みがない会社。魅力を感じたのはどのようなポイントでしたか?

heart relationという会社が稀有な存在だという点です。

インフルエンサーがD2Cブランドを立ち上げるケースは数えきれません。しかし、ブランドの中には、実質的な生産や経営は所属事務所が管理していて、インフルエンサーが持続的にプロデュースできる仕組みが整っていない場合もあります。

そんな中で、ブランドの看板であるインフルエンサーが自らリスクテイクして会社を創業し、これだけものづくりから経営までコミットしている会社はなかなかないと思います。

また、「Her lip to」をはじめとしたheart relationのコンテンツには、グローバルで勝負できるポテンシャルがあります。

前職でインドネシアでの事業立ち上げをしていたときに、日本のコンテンツが一定数の人気を得ていることは体感していました。

小嶋さんはすでに中国のSNS「weibo(ウェイボー)」で約127万人ものフォロワーがいます(2022年2月現在)。その強みを活かし、グローバルで勝負できる可能性を感じました。

タレントとして認知していた小嶋さんと一緒に働いて、どんな印象を持ちましたか?

創業者である小嶋さんのプレイングディレクターとしての活躍に驚きました。

タレント活動は日々メディアを通して見てきました。一方でビジネスパーソンとしての姿はほとんど外に出ていません。

「どのくらいブランドに関与しているのか?」
「本当に働いているのか?」

そんな疑問もありましたが、実際は、誰よりも一番働いている人が小嶋さんでした。

年に300点ほどある全ての商品を企画し、SNSで発信する年2,000以上のポストも全て本人がディレクションしています。ユーザーに届くもの全てに小嶋さんの意思が込められているんです。

さらに日々の情報収集も欠かしません。ものづくりに対してのこだわりやブランドのファンに喜んでもらいたいという想いが、とにかく強い。

小嶋さんは背中で見せるタイプのディレクター。経営者として本気で事業と向き合っている姿を、副業を通じて知ったからこそ、heart relationの経営メンバーに名を連ねることを真剣に考え始めました。

すごい副業の選考過程の面接にも小嶋さんは同席していたんですよね。

振り返ると、初めて会ったときから事業への高いコミットメントや覚悟の片鱗は見えていたんです。

副業をしたから見えてきた部分があったんですね。

また、小嶋さんのビジネスにおけるバランス感覚にも惹かれました。

十数年間アイドルとして活動し、老若男女に愛されるポジションを確立。女性からの支持も熱く、世間に新しいロールモデルも提示しています。

長い時間をかけて積み上げた社会的信頼と認知に、「好き」という絶対的な気持ちを軸にしたものづくりへの熱意を掛け算し、事業にひたむきに向き合っている。

小嶋さんのような経営者は他にいません。

「今しか見えない景色がある」副業から共同代表就任へ

1年間の副業を経て、共同代表に就任。起業を決めていた安倉さんが進む道を変えた要因を教えてください。

起業をする気持ちは今も変わりません。一度起業すると数十年を掛けて取り組むと思っています。

自分が生涯をかけたいテーマは定まっているので、何年後になるか分かりませんが、そのスタートが遅れても良いかなと思うようになってきました。

それは、現在のフェーズにあるheart relationに参画して見える景色は今しか見れないものだからです。

だからこそ、起業したいという気持ちに蓋をしてでも、共同代表として関わりたいと考えました。

共同代表就任後に安倉さんが注力することはなんですか?

フォーカスすべき中長期での経営テーマを設定し、経営メンバーがそれぞれの得意領域を活かしながら仕事に集中できるための環境作りが私の役目です。

小嶋さんはクリエイター経営者としての強い思想をもっていて、また経営メンバーの戸高、岡田を中心に推進力のあるチームが揃っています。

現場は彼女たちに任せ、私はそれぞれの間をつないで空中分解しないよう、事業の方向性やトンマナを合わせ、チームが全体として正しい方向に進むためにファシリテーションする役割を担ってます。

約9年前、私が入社した当時のフリークアウトはまだ創業2年半。当時は単一事業で年間売上も10数億円程度でした。

そこから10ヶ国以上にグローバル展開し、年間300億円の規模の会社になるまでの成長を、退職時までずっと最前線で見てきました。

その過程でたくさん失敗もしてきたので、そのときの反省点を活かし、先回りしてheart relationの組織課題を解決できているように思います。

これまでのご経験が活きる環境なんですね。

そうですね。しかし海外事業の立ち上げの経験はあるものの、場所によって文化が違うので新しい挑戦にもなります。

中国は自分も経験が浅いため、まだまだ市場理解を深めていかなくてはいけません。

ブランド作りも初めての経験です。インターネット業界では、生産性やスケールの大きさなどの効率に関する部分を重要視してきました。

しかし、ブランド作りにおいてはもっと大切なことがあると知りました。

売上をメイン指標とするのであれば、SKU(商品の種類)を絞ってネット広告で伸ばす方が効率よく購買に結びつけることができます。

ブランドが提供する価値を言語化し、マーケティング手法を掛け合わせることでスケールさせる。私がこれまで得意としてきたアプローチです。

しかし、実際のheart relationは年間に300点もの商品を企画し、アパレルだけでなくボディクリームやパフュームオイルなどビューティラインも拡充。物販だけでなく期間限定のカフェにも取り組みました。

様々な係数が複雑に絡み合って、また非効率ともとれる細かいこだわりがたくさんあります。長期で成長するブランド作りには、そういう複雑性や余白が大切であり、ブランドとしての本質が宿る部分なのだということを小嶋さんから学びました。

heart relationで、新たな挑戦を始める安倉さん。今後の展望を教えてください。

heart relationのグローバルで勝負できるポテンシャルには、私自身のビジョンとの近似性を感じています。

私のビジョンは、グローバルにおける日本のプレゼンス(存在感)を向上させることです。海外赴任中、ソフトウェア分野で日本のプレゼンスがないことを感じた一方で、街中日本車が走り、人々の生活にはメイドインジャパンのものが多く流通していました。

日本は、ソフトウェアの時代に、たまたま乗り遅れて負けただけなんだ、ということを肌をもって体感したのです。

今でいうメタバースやWeb3などの大きなビジネスの波に、しっかりと準備して挑むことができれば、確実に日本のプレゼンスを高めることはできます。そのためには、コンテンツプレイヤーこそがグローバルへと進出する必要があると感じました。

heart relationは海外進出を中心に事業展開をしているフェーズではありません。まだまだ日本でもかたちにしたいものがたくさんあります。

ただ、私が挑戦する領域として、直下の事業で海外展開を検討しています。heart relationのプロダクトを持って世界へ挑み、日本のプレゼンスを上げていきたいです。

担当メンバー

YOUTRUST公式

  • YOUTRUSTのプロフィール
  • Xのプロフィール
キャリアビルディングに意欲的なビジネスパーソン向けに、副業をテーマに情報を発信しています。副業未経験の方でも、自分に合った副業を見つけることができ、副業に一歩踏み出せる情報を発信しています。

  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust
  • Youtrust

URLをコピーしました!

CLOSE
あなたに合った副業に会える CLOSE