ナナメウエ・井上 友泰さん|お試し副業きっかけで正社員転職
2025.12.1(月)
キャリアSNS「YOUTRUST」でキャリアが変わったユーザーを紹介する「きっかけはYOUTRUST」シリーズ!
今回は、過去に複数の転職経験があるなかで初めて、副業から始める「お試し副業」がきっかけとなり株式会社ナナメウエへ転職された井上友泰さんにお話を伺いました。

井上 友泰さん
株式会社ナナメウエ マーケティング・採用担当。YOUTRUST経由でオファーを受けた株式会社ナナメウエで2020年9月末から副業を開始。その後、1ヶ月足らずのスピードで転職の意思決定をし、12月に正社員として入社。今回が4回目の転職となる。今まではエージェント経由での転職だったため、お試しきっかけでの転職は初めて。
ともすると信頼を失いかねない。失敗から学んだ「副業を始める難しさ
副業きっかけでの転職は今回が初めてだと伺いましたが、そもそもこれまでに副業自体のご経験はありましたか。
1度だけあります。私はウェブサービスの広告マネタイズ経験が長かったので、元同僚から「転職先の広告担当がいなくて困っている」という相談をもらい、1年弱手伝ったことがありました。
しかし今振り返ると、副業を引き受けるリスクというものは想像以上に大きく、「安易に引き受けるべきではなかったな」と思っています。
たしかに副業は、収入や実績を増やすチャンスではありますが、一方で自分の信頼を損なうリスクもあったんです。
具体的に、どのようなリスクがあったのでしょうか。
私の場合は、自分が担うべき業務の期待値を細かくすり合わせできないまま始めてしまい、結果として十分な貢献ができなかったんです。
具体的には、コンサルテーションを担うべきなのか、あるいは実務を含めた広告運用業務まで広く担うべきなのかをすり合わせられておらず、中途半端な状態で業務を引き受ける結果となってしまいました。
売上増加にこそ一定の貢献はできたのですが、いただいていた業務委託費用の額ほど期待にこたえられている実感は無く、なんだか申し訳ない気持ちになる時期が続きました。
つまり副業の場合は、始めるうえでの期待値調整が難しいということですね。
まさにおっしゃる通りです。
そして期待値調整が難しいということは、期待に応えられずに信頼を損ねるリスクも高いということです。
知り合い同士がすぐつながれる狭い業界なので、「あの人、あんまり働いていないのにお金だけ高くつくよね……」と信頼を失いかねないレピュテーションがすぐ広がってしまうことを考えると、安易に副業を始めてはいけないなと思いました。
転職前に職場との相性を判断したくて始めた「お試し副業」
そのような失敗があったなか、今回ナナメウエさんで副業を始めたきっかけを教えてください。
この失敗経験は、裏を返せば「副業として業務を経験すれば、転職前に職場との相性を判断できる」ということを学べた経験です。
だからこそ、転職をするのであれば「副業をしてから転職を検討したい」と考えるようになりました。
そのためナナメウエでの副業は、私にとっては「お試し副業(まずは副業から始めてみて、入社イメージが湧いたら転職を検討する)」と呼べる選択でした。
数ある選択肢のなかで、ナナメウエさんを副業先として選ばれたのはなぜですか。
そもそも転職自体はコロナが流行する前から考えていて、YOUTRUSTのプロフィールも「転職を積極的に検討している」ステータスにしていました。
ただ、コロナが拡大したため、本格的な転職活動を始めたのは2020年の6月頃からです。ですが、実はその頃はまだ、ナナメウエのことは知りませんでした。
ある時、YOUTRUST経由で代表の石濱からメッセージをもらい、まずはカジュアルにお茶しながら話をしました。
その時には会社のことも石濱のこともまったく知らなかったので、正直ナナメウエに入社するなんて1ミリも想定していませんでしたね。
ただ石濱の話を聞き、「自分にできること」と「ナナメウエが解決したいこと」の重なりが大きいと感じたこと、加えて「社内用語がすべて英語」というチャレンジングな環境であること、そして何より代表の石濱の人柄に惹かれたのを覚えています。
それで、まずは本業の合間時間+土日に引き受ける形で、週15時間程度の「お試し副業」を始めました。

「こんなはずじゃなかった」を生み出さないために企業と求職者がやるべきこと
わずか1ヶ月で転職を決められたということですが、どんな業務や環境に触れることでスピード感をもった意思決定ができたのでしょうか。

今振り返ると、代表の石濱は「採用がうまいな」と思います。
おそらく私の転職意欲が高かったことを踏まえてくれたのだと思いますが、通常であれば副業の人にはお願いしないような「重要度の高いタスク」を、副業始めたての私に配分してくれたんです。
外部とのやりとりも「すべて井上が窓口です」みたいに紹介してくれて(笑)
細かいタスクの切り出しではなく、「やることはすべて自分で決めていいですよ」という感じで渡してくれたのは、自分のモチベーションを大いに高めてくれました。また、期待値が「すべて自分に任せる」と明確だったことも転職の意思決定に関わっていると思います。
もちろん他にもおもしろい仕事を任せてもらえそうな転職先候補はあったので、任される仕事だけでなく、社内の仕事の進め方や雰囲気なども見極めるようにしていました。業務の管理方法やレポート粒度の細かさ、フィードバックの内容などですね。
そういった日頃のやりとりにストレスを感じることなく働けたことも、ナナメウエに転職をする意思決定するための大きな判断材料となりました。
とくに、サービス成長へ愚直にコミットする会社のスタンスを現場でしっかりと感じることができたため、日に日に「一緒に働きたい」という気持ちが高まっていきました。
企業も本気で採用したいなら、お試し期間にお願いする業務もしっかり考えた方が良いということですね。
おっしゃる通りです。もちろん「双方の合意」が大前提ではあるので、お願いする側(企業)だけでなく、副業を受ける側(求職者)も「今後、自分がどんな働き方をしていきたいか」という期待値を明確にしておくことが重要だと思います。
特に私のように「転職を視野に入れた副業」なのであれば、業務内容だけでなく、どんな環境であれば入社を決められるか、ということを自覚していないと、なんとなくの雰囲気で判断してしまいかねません。
自分が理想とする働き方を明確にしたうえで、まずは入社前に副業でお試し勤務をしてみる。
仮にその経験を通して「自分には合わない」と感じるようであれば「断る」というオプションがあること、これが「お試し副業」の良い点だと思います。
ある意味「試用期間の前倒し」に近いイメージですね。企業にとっても、雇用したあとの試用期間に退職となるより、はるかに理にかなった制度だと思います。
過去はすべて転職エージェント経由で転職先を見つけていたと伺いました。お試し副業経由での転職は、今までの転職とどう違いましたか。
エージェント経由の転職は、もちろん多くのメリットがあります。しっかり職務経歴書を準備して、エージェントが企業に求職者の魅力を売り込んでもらえるのはとてもありがたいことです。
しかし、書類やエージェントからの情報を元に、企業側も面接だけでアトラクトを行うと、お互いの「本当の姿」がなかなか見えづらいケースが発生しやすいのも事実です。
もちろん入社前に好印象を持っていただけるのはありがたかったのですが、その反面、いざ働いてみると互いの期待値がズレてしまっていた経験もあります。
その点で比較をすると、今回のようにお試し期間をはさむことで、双方が「こんなはずじゃなかった」と期待値のズレを起こさずに意思決定できたことが今までの転職には無かった「お試し副業」のメリットでした。
もっとこの転職方法が世の中で認知され、企業も求職者も双方が満足できる採用体験が増えていくと、日本の働き方は大きく変わっていくのではないかと感じています。









